18.12.10
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中学生の頃から書き溜めた、詩やエッセイ、短文、学生時代
から始めた山の想い出、海外駐在時代にあった事などを
纏めた240ページ近い本である.
シニア世代に相応しく、字も大きくて読みやすい.

■5部構成で.....
表題となっている「遠い影、薄れゆく想い」では、主として
中学生の頃から書き溜めていたというエッセイを、「山旅」
では故郷の山への想い、学生時代の山岳部での登山を、
「遥かなるオランダ そして台湾」では駐在していたこれらの
国々で出合った人や出来事、帰国してからは「いまは日本」、
最後に「病旅(やまいたび)」では、思いもしなかった奥様と
自分の病気と向き合い、さらには自分自身の体の異常と
共存しつつある姿を、冷静に客観的に分析した文章は、
正に著者の性格を如実に表わしている.

所々にある、透明水彩画で描いたという挿絵や写真も、
なかなかセンスがあって素晴らしい.



筆者とは、なにを隠そう(別に隠してはいないが...)会社の山岳部の
先輩・後輩である.
どちらが先輩かと云うのはさておき、同じ山岳部に在籍しながら一緒に
山を登った記憶は無い.年代は10年以上離れているが、山岳部では
先輩のやり残した山の目標(注:このページは随分凝った作りになり、
プラウザによっては画面がガタガタ!)を立派に果してくれた.
彼との付き合いは”道具祭、懇親キャンプ”などの、もっぱら部の行事で
会った事が多かった様に思う.

そんなクワハラから、突然、メールが来たのは今年の夏.
ヤァヤァヤァ、イキテタカ?としばし昔話に没頭.
で、このHPを見てくれていた読者の一人として交流が再開となった.

なかなか良く出来ている本である.


本あれこれ
豊原 天蛙(ブックコム)
遠い影 薄れゆく想い