久し振りに”山、釣り、焚き火”の三拍子揃った1泊2日の山行を
計画した、が...
天候は両日良かったものの、やはり”楽”を追求し過ぎた為か
アプローチで散々な目に合った.
ルートは、車で日原から小川谷林道を遡り、林道の終点で焚き火と
釣り、次の日に東京都最北の”酉谷山(1718m)”から長沢背稜を
廻って帰る1泊2日の山行.同行:S島.

■1日目
日原⇒小川谷林道⇒犬麦谷出合い
吉野街道のいつものコンビニに寄って2日分の昼食を購入.
渓流釣りのエサに使う為、S島にも無理強いして”イクラおにぎり”を
買い、中身のイクラは全て釣りのエサに回す.
少し行ったマーケットで焼肉用の豚薄切り1パックと夕食及び朝食の
インスタントラーメンを調達し、一路、日原へ.
氷川⇒日原は、道は良いものの殆んど1車線.しかし、平日なので
行き交う車も無く、スムーズに日原へ.
久し振りの稲村岩を見て小川谷橋を左に曲がり、行きがけに日原川
林道の終点、大雲取谷出合いを見て来ようと暫く走ったら、車の
底からイヤな音.
F井の車は車高が低いので、轍の真ん中の盛り上った部分に車の
底が擦れる音だった!.このまま行くとバンパ−が取れちゃって
ヤバイので引き返す.しかし、はや小川谷林道側に暗雲が!.

小川谷橋に戻り、梵天岩、日原鍾乳洞を通過して、小川谷林道へ
入る.入った瞬間!、再び車の底の擦れる音が始まっちまった.
轍を避けようと、狭い林道上を右や左にハンドルを切って行くと、崖上
からの落石が転がっていて、その度に助手席のS島が飛び出して
道路整備を繰り返す.ノロノロ、トロトロ運転の連続で、ヘロヘロに
なりながら、ホウホウの呈で犬麦谷出合いを過ぎ、ゴンバ尾根の末端を大きく迂回した所で、これ以上
進むとバンパーが取れちまう悪路が出現、これまでと車を停める.ココまで約6Kmを1時間!.
今日中にどうしても酉谷山避難小屋まで行きたいと云うS島をなだめすかし、取り敢えず全装備を持って
林道の終点まで歩き、三叉路を右に曲がって、通行止めになっている犬麦谷方面の林道へ.
さすがに、ン十年前とは谷相がコロッと変っていて、どうやら、犬麦谷のタツマノ大滝と、モリノクボ
漠流帯
の中間を再び林道が横切っている様だ.
これでは釣りも出来ないので、S島とまた々相談し、さっき車で通った犬麦谷出合いで泊まる事にする.
重いザックを背負って林道を車まで戻り、車に積み込んで犬麦谷出合いへバック.
林道上の脇にテントを張る頃には、15時を廻っていた.
S島が山菜料理を作ってくれている間、犬麦谷の下流へ釣りに行ってみる.林道から少し下りると
広い河原になり、最後は伏流になって大きな堰堤の上まで続き、小川谷へ落ちている様だ.
堰堤上の河原を流れる二筋の小川には、結構、魚影を見たがおにぎりのイクラはすぐバラケて瞬く間に
無くなり、終了(今度来る時は、タモで掬っちゃうか!).
テントに戻り、焚き火をしながら、山菜の煮付け、焼肉、ビールと次々に平らげていると、林道の上から落石!.
なんと、「野猿」の群れが頭上の崖を横切って行くではないか!.
小猿を連れた「野猿」の群れは若芽を食べながら犬麦谷を横切り、コンクリートで升目状に補修された崖で
何かをしきりに食べている(あまりにそのしぐさが面白かったので小1時間ほど眺めていたが、ここでその様子を
書くと次に進まないので、別ページにてご報告....).
今日の林道の通過ですっかりくたびれ....早々に寝る.

■2日目
 犬麦谷出合い⇒林道終点⇒三又⇒旧酉谷小屋⇒酉谷山避難小屋⇒酉谷峠⇒酉谷山⇒七跳山下/ゴンバ
 尾根分岐⇒小川谷林道⇒犬麦谷出合い⇒日原

昼食だけ入れたペッタンコのザックを背中にして、犬麦谷出合いを7時に出る.
昨日来た林道の終点を今度は左に入り、少し行くと林道が切れて、やっと本来の登山道になる.
道は所々崩れて遥か下の小川谷本谷まで落ちており、結構、いやらしい.
程なく滝谷、悪谷、本谷の三つの谷が合流する「三又」
S島から、ン十年前にここから対岸のウトウの頭から続く「タワ尾根」の旧歩道を歩いた時の苦労話を聞く.
何でも、残雪期に女性連れの3人パーティで旧歩道を歩き、奥多摩駅に着いたのは夜の8時だったとか!.
登山道は、ここから本流の澄んだ沢を見下しながら行く.
暫くして沢音が消えると、旧酉谷小屋.小さいがしっかりした小屋で充分泊まれる.
小屋の裏手からさらに登山道が続き、次第に明るい広葉樹林の中を行くと、犬麦谷出合いから約2時間半で、
ポッカリと、素晴らしい眺めの酉谷山避難小屋に出た.
S島が、昨日しきりにここまで登って焚火、焼肉をやろう〜!と力説していただけの事はある.
水場もきれいで、眼下には小川谷と遠く富士山まで見える.しかし、とても昨日の内にココまでは無理!.
小屋の窓からは、大岳山まで遠望出来、眺めは抜群だった.小屋の中もしっかりしている.
少し休んですぐ上の酉谷峠に上り、稜線の向うの側の秩父方面を眺めつつ、酉谷山山頂着:10時.
ここが、東京都の最北(S島 談).
30分程休んで七跳山への稜線に入る.この道は、水源管理用道路で稜線の下を水平に通っている.
約30分、休み無しに飛ぶ様に歩いて七跳山直下のゴンバ尾根分岐へ着く.
ここで休むと残り少ないタバコを吸ってしまうので、お約束の通り、休まずにゴンバ尾根へ入る.
下りっぱなしのゴンバ尾根は、登山道に鹿の糞が至る所にあり、周りの笹原は鹿が喰ってしまったらしく
葉が無くなっているし、大木の幹は鹿のかじった跡が一杯!.
1時間で犬麦谷への林道に下り立ち、小川谷林道の終点まで戻ると、今朝は無かった乗用車が1台.
ふと見ると、F井の設計屋時代の従業員Noと同じ番号の車が停まっていた(ご丁寧にも”ふ/3182”).

林道をブラブラ歩き、12時20分犬麦谷出合いに帰り着いて最後のタバコを回しのみする.
今朝、ココを出てから約5時間で酉谷山からグルリと一周して来た事になる.
しかし、昨日、今日と全く登山者はおろか”人”に会わなかった(やっぱり、この山域は山が深い!).

帰りの小川谷林道もまた、緊張のノロノロ、ジグザグ、スリスリで日原へ戻った.

次に来る時は、テントを持たずにシュラフと酒だけ担いで、酉谷山避難小屋に来よう〜.


05.05.09〜10

”酉谷山”/焚き火/釣り

山の日記
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