相田さんを知ったのは、亡くなった田舎の母が送ってくれた
「人間だもの」が最初でした.
”書”には余り(と云うか、全く!)興味も無く、またその良し悪しも
分からないなりに、何故か書かれている”字”に込められた、
人の生き方、考え方には惹かれるものがありました.

相田さんの書かれた書に、たった一文字”夢”や”逢”などがあります.
当然の事ながら、PCでいくらこの字を出しても、それは単なる漢字の
一文字にしか過ぎません.しかしそれが相田さんの書になると、
その字の何十倍、何百倍もの意味や想いが表現されている様な気が
します.
部屋中一杯に取り散らかった失敗作(?)の中で筆を握っておられる
相田さんの映像を見た記憶がありますが、それだけに一文字に懸ける
相田さんの想いの込められた字だからではないかと思います.

生きていくために本当に必要なものはなにか?!と想い迷う事の多い
昨今ですが、裸の心で語りかけてくる相田さんの書を眺めていると、
非常に短い文(と、云うか字)に込められている生き方の極意みたいな
ものに、知らず知らずの内に納得している自分を発見し、心が和みます.

相田さんが一貫して云われている事は、”自然のままに生きれば
それでいいんですよ.無理する事は無いんですよ”という事では
ないかと思っています.


相田みつをさんのギャラリ−は、東京・銀座から引っ越して、今は
有楽町の駅から歩いて1分の”東京国際フォーラム”B1にあります.
山手線の傍の、全面ガラス張りの特異な船の形をした建物です.
美術館に入ると、すぐ、丸い”井戸”の様な形の展示物に案内されます.
覗き込むと、井戸の底は大きなスクリーンになっていて、清らかな
水の中に泳ぐ魚が見え、その中に、相田さんの書かれた”夢”や”逢”
などの書が浮かんでは消え、浮かんでは消え...
なんとも、素晴らしい演出で見飽きることがありません.
伺った時は、丁度、春の連休という事もありましたが、若い人が多かった
のには驚きました.
美術館の中の静かなラウンジで一人コーヒ−を飲みながら、やっとこの美術館に
来られてよかった!と、しみじみ思いました.

超近代的な建物の中の相田みつを美術館は、現代の癒しを求める人々の
憩いのオアシスの様な気がしました.


二代目か?

”相田みつを”さんのこと

えっせい
”相田みつを美術館”のある東京国際フォーラム
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