二代目か?

”原田泰治”の世界

えっせい
原田泰治さんの絵を集めた”原田泰治美術館”が、
諏訪湖の畔にあります.

ご存知の方も多いでしょうが、原田さんは、’82年から
2年半に渡り、朝日新聞/日曜版のフロントページを
飾った、素朴な日本の原風景を描かれている画家です.

これは私の個人的な感想ですが.....
画風は、週刊新潮の表紙でおなじみの谷内六郎さん、
その緻密さは”裸の大将”山下清さんの様で、お二人の
特徴を併せ持った画風の様に思います.

どの画に登場する人物の顔にも、目、鼻、口、が描かれ
ていないのですが、それは、この画を見るひとり一人に
その人物を想像して欲しいという、原田さんの思いが
あるのではないでしょうか?.
しかし、顔の輪郭、しぐさだけで、充分、生き生きとした
表情が見えて来るのが不思議です.

また、驚くのは、一枚一枚よくこれだけ書き込まれたと
思うほどの緻密さで、積み上げられた石垣の一つ一つ、
花びらの一枚一枚が、実に丁寧に書き込まれている事です.まるで髪の毛1本を使って描いたのでは
ないか!と思うほどです.

日本全国を訪ねられ、自分の目で見、その土地の人と話しをして描かれたそうですが、1歳の時に罹った
小児麻痺で、両足がご不自由とは思えない程の行動力です.
日本画の様な風景があったり、祭囃子が聞こえて来そうなお祭りの画があったり、その土地に根付いた
風習、風景、行事などが実に的確に捉えられています.

原田泰治美術館の1階、2階共、原田さんの画がびっしり並んでいて、1時間ぐらいはあっと言う間に
過ぎてしまいますが、この美術館の名誉館長:さだまさしさんの歌が、静かに流れている雰囲気も
原田さんの画にぴったりだし、玄関から入ってまず目を奪われる、壁一杯の大きなガラス窓の向こうは、
諏訪湖と遠くの山々が借景になっていて、この美術館のポリシ−を表わしている様に思います.

開拓農民として苦労されたこの土地を愛し、心温まる画を描き続けておられる原田さんに、ファンの
1人として、ますますのご活躍を祈りつつ.....
パンフレットより
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