”ガイアの夜明け”のこと

えっせい
12月28日、TV東京で放映された「ガイアの夜明け」特集編.

西武とダイエ−、両オ−ナ−だった人がなぜ退陣に追込まれたのか、
単なる経営上の問題からではなく、そのTOPとしての姿勢に、
スポットを当てていた.

結局は「裸の王様・見せ掛けだけの求心力・顧客ではなく内部に
向いた組織体制」と結論付けていたと思う(私自身はそう感じた).


象徴的なのが、その短編ドラマ....
お客様を放っぽり出して社長を迎える社員の列と、そこを幹部社員
を従え、そっくり返って通る社長(なんだか”白い巨塔”風!).

一人だけ「これって、おかしいんじゃないの!?」と叫ぶ現場の
社員と、それをたしなめる上司.

良く似た話を、昔、石原都知事が新人代議士だった頃の思い出として聞いた事がある.
当時は国鉄時代.議員用の無料パスを貰って「席は何処でもいいですから〜」と言って
いたのが、1年過ぎると「俺の席はどこだ!」と思う様になったと回想されていた.
これに気付いた石原さんもえらいと思うが、余程、自分で自分を律しない限り、
「実るほど、頭を“上”げる稲穂かな」になってしまう.
「ガイアの夜明け/総集編」では、TOPには人事権があるから、社員も大それた苦言を
呈する事が出来ない、それを承知で「恐怖政治」を引く事が、その会社の前途を暗示して
いると....

それにしても、「上ばかりみる”ヒラメ上司”」の多い事か!.
TOPに気に入られ様と、現場から乖離した素晴らしい企画と数字を下に押し付け、成果が
出ないとなると(TOPへの耳障りの良い企画、数字だから当たり前!)、自分は動かず
(動けないだけ!)、下に向かって「あなたがコミットしたんでしょ!」と、責任転嫁.
最後はヒラメ社員だけが残り益々この現象が加速すると、部下さえも信用出来なくなる.
「ガイア」では、昨今の会社の不祥事に際して「我が社は、全社員に“誓約書”を書かせて
います」と言う様なTOPに、だれがついていくだろうか.....と、結んでいた.
そう言えば秀吉が死ぬ間際、6奉行に書かせたという「誓約書」と、どこか良く似て
いるな.こえぇ〜.

.............

話はコロッと変るが....
昨年からイギリスのあるコンサルタント会社の社長が書かれた本の、和訳後の校正を
お手伝いさせて頂いている.
昨年末、米国の会社がこの本の世界的な発行権を取得したそうで、いずれは日本国内でも
発売される事になると思うが、今回の和訳分が、たまたまサービス主体の話だったので、
お手伝いさせて頂く事になった.
“Freedom
 from Command & Control”と題されたこの本を、
1年掛かりでコツコツと自ら和訳された、某事務所の専務理事の言葉は次の通り.
  「社会一般の評価基準が投資金額や組織収益性、個人所得額など金銭的数値評価に
   終始している今日、このイギリス人の本は、明日の日本を考える上で示唆に富んだ
   特異なものと思われる.
   この本の翻訳権を許諾された者としては、その内容を出来る限り忠実に分かり易く
   伝えるのが、責任であり使命......
この専務理事は自らイギリスに赴き、直接、著者と会って意気投合されたとの事である.
しばらくは、次の事を考える前に、この本のお手伝いさせて頂く事が、自分の使命だと
思っている.
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