小田急線の喜多見駅から歩いて5分の所にある、電力中央
研究所(電中研・狛江)
を見学させて頂いた.
1951年(昭和26年)設立された伝統のある研究所である.
ここは、云わずと知れた、日本国内で「強電」に関する最先端
の技術研究を行っている所.

と、思っていたら.....
現在は電力関係も含め、全体で8つの分野の研究を行って
おり......

 ・電力技術 ・材料科学 ・環境科学 ・エネルギ−技術
 ・地球工学 ・社会経済 ・原子力技術 ・システム技術 

あれ!、「強電」分野に特化してたんじゃ、無かったのか!.

パンフレットによれば.....
狛江は、人員:800名(研究員:656名/50%が博士様!).
事業規模:870億円(電力会社+国の助成金で賄う)

実質2時間弱の見学であった為か、所長さん自らのプレゼン
テーション後、現場見学は下記の3箇所だった.

 ・材料物性の研究に使われている電子顕微鏡
  世界でも数台しかないと云われる「300KV電界放出型の透過電子顕微鏡」で、”ナノスケール”での
  観察、分析には欠かせないシロモノ!だそうで.
  あまりピンと来なかったが、倍率:150万倍と云われて....う〜ん.

 ・低線量放射線研究センタ−
  低線量放射線の人体への影響を客観的に解明するためのセンタ−で、非常に分かり易い説明と
  現在進行中の実験状況を見せて頂いた.
  電中研が何故このような研究を!?と疑問に思ったが、原子力発電が国内電力需要の約30%を
  占める現状から、日本人の”放射能アレルギ−”を払拭する目的もある様に感じた.
  レントゲン写真の3〜4枚の線量は、飛行機で東京⇔ニューヨーク1往復分とか、医療用放射線照射
  の例から「お酒を一度に大量に飲むのは害になるが、毎日少量飲むのはかえって体に有益な場合あり」
  とか、”放射線を正しく恐がって欲しい!”が、PRを兼ねた研究テーマみたいである.
  マウスによる長期被爆試験の状況をモニタ−で見せて解説されたが、いずれもガンの発生とそれに対する
  免疫抵抗力の変化を人体に置き換えて、測定、検証されている様だった.
  それにしても興味深かったのは.....
  「”小腸ガン”て云うのはありませんね、小腸は常に細胞が新旧交代して、古い細胞は剥落し、新しいものと
   交代しているからなんです」.....なるほど云われてみれば(すぐ、納得!).

 ・電力系統シュミレータ
  原子力、水力、火力、他、いわゆる発電所からの大電力送電系統を室内でシュミレート出来る設備を見学
  させて頂いた.
  本来の電中研らしい設備で、「弱電」しか知識の無い自分には、何もかもが”常識外れ”の大きさ!.
  ここで、長い間の疑問をぶつけてみた....
   ・色んな発電所が、勝手に、非同期で作っている50(又は60)サイクルの電力が、何故同期するのか?.
    (どこかにこの非同期サイクルを同期させる機器が設置されているのか?).
    ⇒ 電気には、電力の大きい方に自動的に(引きずられて?)同期する性質があるのです!.

  う〜ん、そうだったのか....!.


見学が終わって、同行者と昼飯を食べながら、
⇒日本もまだまだ捨てたものではないですねぇ〜.こんな所に税金を使うなら、余り文句も云わないんだけど!.

”電力中央研究所(狛江)”

えっせい
05.09.09
電力中央研究所(狛江)
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