(浅田次郎)
本あれこれ
勇気凛凛ルリの色(四十肩と恋愛)
私が小説家と読者の関係を超えて(?)、浅田次郎さんを好きに
なったのは、ジロウさんが「猫好き」だったのも一因である.
猫だけの写真集(だったか?)も出ているみたいだが、
この本の冒頭に、「禽獣」というエッセイがある.

ここで「民子」という猫が登場する.
          ........正式には”斉藤民子”と言う.

ウチのミケ子は、”ご飯と毛のブラッシング”以外、私のところに
自ら来る事はないが、この民子は大変ご主人思いの猫で、
ジロウさんが執筆中には必ずそばでジッと見守っていて、ちゃんと
原稿を褒めてくれる.
そんな民子が3ケ月間家出し、やせ衰えて帰って来たのは、実は
”お別れに来た”という下りが、なんとも”ちくわ”に似ている様な
気がしてならなかった.そして、”ちくわ”が去っていった雪の情景を
思い出して、泣いた(このあたりはジロウさんの情景と似ているか?).

”猫好きな人に、悪人はいない”.....と、自分勝手に思う.

浅田次郎さんは、元自衛隊員でありながら、書かれている内容は徹底して「反戦」である.
沖縄の事がよく出てくる.「ご高配について」や、「鉄血について」「破倫について」、さらには「公益に
ついて」で、それが良く現れている.そして徹底して「民衆の立場や生き様」を”愛情”を持って描いて
おられる.あくまでも弱いものの味方を貫いておられる.

さて、本題の「四十肩」については、私自身、その自覚が無いままに過ぎてしまったので、お心当たりの
方は、ぜひご参考にされたらいかがかと思う.
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