TOP I BACK
父の日に、長男夫婦から”越乃寒梅”と共に届いた1冊.
昨年5月、日本人初の8000m峰全14座を登頂され、第17回植村
直己冒険賞を受賞された竹内さんの本.
                :巻頭に”F井様へ 竹内洋岳”のサインを頂いておりました!.

14座目となるダウラギリT単独登頂の様子はNHKで放映された.
山頂直下、右上方への長いトラバースを行く途中で、後から来た2人に、
あっと言う間に追い越される姿をハラハラしながら見ていたが、本書に
よると御自身は単独無酸素、後から来た二人は酸素ボンベを背負った
アメリカの女流登山家とガイドで、竹内さんは登頂を果たされたものの
まで下りられず、途中で着のみ着のままビバーク.

その茫洋とした人物像は、単に8000m峰14座登頂と云う登山実績
のみならず、人生を生きる哲学にも通じるのではないかと思う...

ここに至までも、ヒマラヤ、カラコルムを中心とした数々の登山歴を
お持ちで、同一年2座登頂が3回(その内1回は同一月)もあり、
ご本人がおっしゃる様な”普通の人”で無い事は確か.
14座の登頂記録を年代順にみただけでも....

   ・1995.5  ・マカル−
   ・ 〃96.5 ・エベレスト
   ・ 〃  .8 ・K
   ・2001.6  ・ナンガパルパット
   ・ 〃 4.5  ・アンナプルナT峰
   ・ 〃  .7  ・ガッシャブルムT峰
   ・ 〃 5.5 ・シシャパンマ:続けて登ったエベレストで突発性脳梗塞症で
                         
意識不明となり敗退.
   ・ 〃 6.5 ・カンチェンジャンガ
   ・ 〃 7.5 ・マナスル:続けて登ったガッシャブルムU峰で大雪崩に遭い
                      
300m流され背骨骨折/背骨を金属シャフトで固定.
   ・ 〃 8.7 ・ガッシャブルムU峰:金属シャフト固定のままで登頂
   ・ 〃  .7 ・ブロ−ドピ−ク:金属シャフト固定のままで登頂
   ・ 〃 9.5 ・ロ−チェ
   ・2011.9  ・チョ−オュ−
   ・ 〃12.5  ・ダウラギリT峰


注:世界初の8000m峰登頂者は、ヒマラヤ鉄の時代を築いたイタリアの
  登山家:ラインホルト・メスナ−(現在68歳)で、メスナ−42歳の時.
  期せずして竹内さんも、同じ歳での達成となる...
竹内洋岳 著(NHK出版新書407)
本あれこれ
登山の哲学
13.6.23