ある北アルプス哀史

日本アルプスの山々が、まだ荒々しい大自然の掟に
支配され、カモシカや熊を追って、命知らずの鉄砲撃ち
が山奥深くに分け入っていた大正のころ.....

今はアルプス銀座と呼ばれてにぎわう槍ヶ岳への道を
独力で切り開いた猟師がいた.

その名は、小林喜作.

雷鳥の生き血を飲んで熊の穴に眠り、アルプスの盟主と
して君臨したこの山の巨人も、ある日ナダレに巻き込ま
れて謎の死を遂げた.....

著者は厳密な取材活動を通じて、”人間”喜作とその死
を描くことにより、当時の社会のひずみと、その底辺に
生きる赤裸々な人間の姿を、浮き彫りにする事に
成功した.


                 −ブックカバ−より
山本茂美 著(角川文庫)
本あれこれ
喜作新道
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