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平岩弓枝 著(文春文庫)
本あれこれ
御宿 かわせみ(1〜12巻)
06.09.05
会社のI谷先輩が、”御宿かわせみ/全30巻”ドサッと
小荷物で送って頂いたのは、確か去年の夏の終わり!.
それから、はや1年が過ぎ....やっと12巻目が終了!.
なんとも遅読.....電車に乗った時しか読めない習性が
付いちまっているので、最近では、”山へ行く時”しか読む
機会が無い.
しかし、1巻=8話 が入っているので、12巻では...
       8話 X 12巻 = 96話
も読んだ計算になる.
物忘れの激しい昨今、夫々がどんなストーリィだったか、
頂いたI谷さんには申し訳ないが、全く覚えが無いのです.
しかし、どれをとっても、一つ一つの話はシットリとした情感に
溢れ、心の安らぐ物語りである事は、間違いありません.
それに主人公が危ない目に合ってハラハラしつつも、最後は
ハッピ−エンドで終わるから、安心して読めます.

とは言え、その物語りは主人公の「神林東吾」と、親友で
八丁堀の定廻り同心である「畝源三郎」との、江戸市中で
起こるさまざまな事件....
  ・大川(今の隅田川)に死体が浮かんだ..
  ・米問屋が強盗に襲われて一家惨殺...
などと云う物騒な内容.
読んでいると、余りその印象は強くないが、実は結構、事件の
当事者からすれば大事件なんですねぇ、これが.
それがサラリと書かれているので、読む方としては余り陰惨に
感じない!.

12巻の中で、一番好きなのは、第12巻目の「岸和田の姫」.
それまでには無かったストーリィ展開でもあり、事件性も無く、最近読んだばかりだからでも無く.

用事で出掛けた東吾が、帰る途中で拾った泉州岸和田五万三千石の大大名:岡部美濃守の娘:花姫.
持病の喘息療養の為下屋敷に滞在していたのであるが、好奇心旺盛で外の世界を見たさに屋敷を
抜け出したものの道に迷い途方に暮れていた所、タイミング良く東吾と会い、親しくなり....
その姫君が国表でお興し入れのため帰国しなければならなくなり、江戸での想い出に一度で良いから
”大川を眺めたい、深川で蕎麦を食べてみたい、木場を見たい...”.
この希望を叶えるため、東吾の兄で南町奉行所の吟味方与力の要職を務める通之進をはじめ、東吾の
関係する総員が協力して、町娘の姿に変えた花姫を江戸の市中に案内する.
いや、なんとも心温まる1話なのです、これが.

12巻までで、ほぼ登場人物は出揃っていると思うが、最初はダレがダレやら分からなかった.
改めて主な登場人物を纏めてみると....間違ってたらご容赦!.

       
神林通之進(実兄.南町奉行所・与力)−−−香苗(妻)
            I
       
神林 東吾るい(旅籠”かわせみ”の女主人)−−−嘉助、お吉(かわせみの番頭、女中頭
            I             
            I−−
畝源三郎(東吾の親友.八丁堀・同心)−−−千絵(妻)
            I     I
            I   
長助(配下の岡っ引き.深川の蕎麦屋:長寿庵の主)
            I    
            I−−
天野宗太郎(東吾の友人で将軍家ご典医の息子.名医)    
            I   
            I−−
麻生源右衛門(亡くなった東吾達の父の親友)−−−七重(娘)   
            I
            I−−
松浦方斎(東吾が代稽古に通う狸穴の道場:方月館の主.直心影流の達人)
                 I
                
おとせ(方月館の家事一切を任されている寡婦.息子:正吉)

所で、東吾+るい の住む、八丁堀、深川、大川(隅田川)を一度歩いて見たいとカネガネ思っていますが、
当然、江戸の昔現在は地理が合致しない!.
この辺りは、神田川・お散歩の最後に隅田川の河口まで何度となく歩いているので、せめて30巻読み終わる
までには行って見たいな〜と思う、今日この頃デス.

御宿かわせみの1〜12巻!