16.08.30
”昭和侠盗伝”から、なんと8年経っちまったよ〜、次郎様!.
ちょっとジラシ過ぎじゃありませんかね、また、また...
と、前回同様文句を言いつつ本屋に走り、”ライムライト”を
手に入れて、やっぱり、一晩で読んでしまった.
老眼鏡は、今は+2.0だけど、最近これでも本が読みづらく
なって来てるから、目がショボショボしての〜.
ま、それはさて置き....っと.
相変わらず”天きり松”こと松蔵の名調子で、昭和初期の
”目細(めぼそ)の安吉一家”の”人情盗人物語”.
・第一夜:男意気初春義理事(おとこいきはるのとむらい)
・ ニ :月光価千金
・ 三 :箱師勘兵衛
・ 四 :薔薇窓
・ 五 :琥珀色の涙
・ 六 :ライムライト
本文はもとより、天切り松の登場の仕方がいい.
暮の寒い夜、交番のヒマそうな若い巡査が出した渋茶を
啜りながらトットッと話し出すかと思えば、並み居る親分衆
を睨みつけながら義理人情のヤクザのあるべき世界を説く.
かと思えば、警察署のデカ部屋の長椅子に寝転んで、一旦
帰ったのに電話で呼び出され、でも天切り松の話を聞きた
くてイソイソやって来た署長を相手に....など、など.
再度.....
いつもながら天きり松の、江戸っ子らしいスカッとした語り口と、
常に地に足をつけた分かり易さには引き込まれる.
それとやっぱり前巻での天きり松が云ったことばがいい!.
*お天道様と、風と土だけありゃあ、人間は幸せなんです.
そのほかのものは、みんなおまけで...
天切り松 闇がたり
本あれこれ
浅田次郎 著(集英社文庫)
/ライムライト