10.1.20
久し振りに、次郎さんらしい本を読ませて頂いた.
実は、この小説までに「月下の恋人」「草原からの使者」を読んだのですが、
なんだか、いまいち、”次郎さんらしい内容では無かった”のデス.
⇒ あくまでも”個人的な感想”デス.
■この本には、
・月島慕情 ・供物 ・雪鰻 ・インセクト ・冬の星座
・めぐりあい ・シューシャインボーイ
の7話が収録されていますが、中でも...
<月島慕情>
・小さい頃、口べらしの為に売られてきた娘が成長してやっと掴んだ
幸せを、自ら捨てて再び苦界に身を沈める話.
<供物>
・20年前、暴力と女道楽の夫と別れ、今は幸せな家庭を持つ主婦の
所に舞い込んだ別れた夫の「訃報」.供物を持って訪ねた先で、
夫のもとに残してきた息子と再会する...
<シューシャインボーイ>
・リストラの首切り役だった銀行マンが、最後に自らも辞職して飛び
込んだ”社長付き運転手”の職/社長の持ち馬が”シューシャインボーイ”.
社長は戦争孤児だったが、新宿大ガードの下で靴磨きをしていた
男に拾われて育ち、今は不動産会社の社長.
しかし、いまだに同じ場所で靴を磨いている男のもとに通い、
”一緒に住んでくれ”と懇願している...
−また、浅田ワールドが戻って来た−
本あれこれ
浅田次郎 著(文春文庫)
月島慕情