08.11.12
”五郎治殿御始末”に続く、江戸から明治へと移り変わる幕末期の
武士の身のふり様が、6つの短編に収められている.
夫々の短編の前後に、内容とリンクした著者の短文が入っており
....これが、またいい.
<お腹(はら)召しませ>
・ヤムに止まれぬ事情で腹を切ることになった武士.
家族、上役の、「早く切れ!」大合唱の中、最後には...
<大手三之御門御与力様失跡事件之顛末>
・幼い頃に結婚を誓った女が苦界に身を落とし、明日をも
知れぬ身になったのを知った武士が、その最後を看取る為
”神隠し”を装って城を抜け出す...
<安きの守(あきのかみ)様御難事>
注:標題の”きの”が、私のPCから出てこないのデス!...
・若くして42万石の広島藩主となった、浅野安芸守(こっちは出ます!).
日ごと繰り返される”斜籠(ハスカゴ)”なる用途不明の稽古.
ダレも教えてくれないその稽古にセッセと励むが、ある夜、
それを行う事になる...
<女敵討(めがたきうち)>
・国許から召し出され、2年半も江戸詰めになった武士.
郷里に残った妻は、不義を働いていた.
密かに帰って両人を成敗しようとするが...
...他、2編...
解説は、浅田ファンという、かの、竹中平蔵さん.
浅田次郎著(中公文庫)
本あれこれ
お腹めしませ