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06.02.24
最近、山やお散歩の行き来の電車の中で本を読む機会が多い.
本に気を取られ、目的の駅を乗り越してしまう事もある.
先日は、その結果、10駅ばかり先の駅に来て様子が違うのに
気付き、約束に遅れて”悲惨”な目に合った!.

さて、この本の題名:サイマ−とは、賽馬=中国語で”競馬”の
事と、ある.
私の様に競馬や競輪に興味の無い人間でも、賭け事の面白さの
伝わってくる、浅田さんの”競馬哲学”の本である.
ホームグランド:府中、中山 は勿論の事、海外遠征も多い.
  アメリカ、オーストラリア、フランス、イギリス、香港、etc.
世界中の競馬場を廻って、力一杯、勝負に賭けた短編集である.
(勢い余って、ラスベガスのカジノも出てくる!).

約30年の”競馬人生?”でさすがだと思うのは、競馬場での勝負
結果を克明に記録されている事.
どうりで、馬の名前から始まる各レースの結果までがヤケに詳しい.
賭けたお金の30%は、国内だとJRAへ持っていかれるから、
競馬場への交通費、食費などを差し引けば”トントン”で正解と
ご自分で分析しつつ、競馬に打ち込む原動力は一体何なのか?.

浅田さんの小説には、時々、名文が出てくる.
サイマ−には次の様な一節があった(P.93).

人間は常に思索と行動という両輪によって走っている.
そしてそれらを駆動させるものは「努力」というエンジン.
「良識」というハンドル.
右足は「勇気」というアクセルと、ときには同じ名のブレーキを踏む.
そして左足はすべてが「分相応」に収まるようにクラッチを操作する.

これらの機能がことごとくバランスを保っていれば、人生の車は
まっすぐに走り続ける.

う〜ん、なるほど、なるほど. さすがに良いことを言われるね〜.

ところで、この本には全く関係ないが、最近気付いた事.
「文庫本」というのは、月刊○○小説とか新聞などで連載されたものがのちに「単行本」となり、
それらがソロソロ終わった頃、「文庫本」で発刊されてくるのではないか?.
本当のところはよく知らないが...
これが正しいとすれば、いつも「文庫本」しか買わない私の場合は、ほかの方がとっくの昔に
読んだ小説を、今頃読んでいる事になる!?.

この前、浅田さんの文庫本の新刊が出たというので近くの本屋へ行ったら、「あ」行の棚に
赤川次郎しか並んでいなかったので、本屋のお姉さんに、
   >  浅田次郎の○○は無い?.
と聞いたら、
   >> 浅田さんの本はドサッと山積みするので、棚に並ぶのはアトアト!デス.

山積みするほど文庫本が売れる様だと、私と同じ人間が一杯いるんだから、ま、いっか.
浅田次郎著(集英社文庫)
本あれこれ
サイマ−!