久し振りに、次郎さんの文庫本を読み終えた.

なにしろ一冊552ページの力作!.
「日輪の遺産」でさえ、520ページで終わっておった
のに、これは”バクチ”の話だけでこのボリュウム.
標題に”!”の付いた本と云うのも珍しいのでは.

「オー・マイ・ガアッ!」って云うのは、云わずと知れた
”おお、神様!、助けて頂戴!”...だっけ?.
良くも悪くも、断末魔の悲鳴!.

場所はラスベガス.
ここに何の因果か集まった日本人2人と米国人1人.

 @友人と愛人に裏切られた中年男:大前剛
   ⇒ これを、オオマエゴオ と呼ぶ.
 Aキャリァウーマン崩れの娼婦:梶野理沙
   ⇒ カジノに引っ掛けてるみたい!?.
 Bベトナムの英雄でシルバ−・スター勲章を貰い
   ながら今は落ちぶれた黒人:ジョン・キングスレイ.
   ⇒ この男だけは、マトモな名前.

たまたまカジノのスロットルマシンで、この3人がお隣り
同士に並んだその@の台に、55億円の大当たり!.
それがヤヤコシイ話に.....
なぜヤヤコシイかと云うと、

  @がトイレへ行ってる間に、Bがその台に座り、
  Aがレバ−を引いて ⇒ 大当たり!!.

結果、当然のことの様に@ABが権利を主張するも、
賞金を貰えるのは1人だけと言う決まり.

やむ無く3人で捻り出したのが....
@Aが結婚し、Bがその義理の父に収まって、賞金を山分けにすると云う案.
ところが、カジノのボスはその賞金を使い込んでいて払えない(..んなこと、あるのかね?).
しかたなく(!?)殺し屋を雇って、もみ消そうと企てたが、そこへオーナ−のアラブの王様が
やって来て、それがすっかりAに惚れ込んでしまい.....
アラブの王様がらみで、話がアメリカ政府の高官にまで及び、もう、グチャグチャ.

しかし、さすが次郎さん.
「世の中、金が全てじゃないよ!」と云う結末を用意していて、最後はハッピーエンドに
終わるのでした.....こう書かないと、収まりがつかない!.
「バクチ人生」を渡って来た(今も?)次郎さんの、集大成の本 ...では?.

これからラスベガスに行く人が読んでおくと、大変参考になります!.
  
浅田次郎 著(集英社文庫)
本あれこれ
オー・マイ・ガアッ!
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