「神田川」と言うと、あの 南こうせつの哀愁を帯
びた名曲を想い出される方も多いと思いますが
今の神田川には、そんな風情はありません.
もっとも、昔懐かしいお風呂屋さんも廃業に追込
まれている時代ですから、神田川その物が、今は
コンクリートの護岸に囲まれていても仕方の無い
事です.

昔の神田川は、ちょっとした雨でもすぐ氾濫する川
でした.
橋桁すれすれまで水が来て、あっという間に溢れ
出すと、もう両脇の道は通行止め.上流から流され
て来た一抱えもある大きな鯉が、川になった道を
泳ぎ回り(面白い事に、誰も取ろうとしません)、
町会の人がハンドマイクで「車が水没するので、
移動して下さい」と、触回る始末.
神田川かいわい
散歩道
遊歩道
もっとも、私の家は少しだけ高いので水が来る事はなく、雨が降ると不謹慎ながら「見物」に行く楽しみ
もありました.雨の降った翌日は、必ずと云っていいほど新聞に床上浸水XX戸の記事が載ったものです.
しかし、都庁が新宿に移って来て「新宿副都心」と呼ばれる様になり、行きつけの床屋さんの噂話で、
えらい役人が「都庁のお膝元が何時も洪水では」と言ったとか言わないとかの話が聞こえて来た頃から
、大規模な護岸工事が始まって、洪水は昔話になりました.

それと共に、南こうせつさんの風情も消えて無くなりましたが、その替りに洪水が無くなって、神田川の
両岸は植栽され、赤レンガの歩道が敷き詰められています.
春は満開の桜、秋は紅葉、冬になると鴨が飛来してのんびり日向ぼっこの、昔とは、また違った風情が
楽しめ、神田川の岸には、南こうせつの歌碑が建てられて昔を偲ばせています.
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