"冬仕度"のこと

猫のこと
>  だんな、そろそろ隙間風で寒くなって
    きちまった、ねん!.
    あんさんも知っての通り、わしは外猫じゃけん.
    まさか、このまんま冬過ごせちゅうんじゃ、
    無いだろね....

日課の”穴掘り”を終り、陽だまりでドロだらけの足を
舐めていたミケ子様が、ひとり言風に言う.

>> それは勿論考えてまっせ.
    寒波が来るらしいんで、もうそろそろと思うてま.
>   そ−か.それで安心や.あんじょ−頼むで.
    ホレ、これが設計図や!.

と、いつの間にお書きになったのか渡されたのは
壁や窓が2重に防寒対策された、豪華なBOX風の家.

で...作り始めてみると、白い豪華なBOX風の家は、
いつの間にか雪山でよく作った”雪洞”風になっちまった.
しかし、雪洞は大変暖かく快適だった記憶があり、多分、ミケ子様のお気に入る構造になると、セッセと励む.
梱包用の”プチプチ”を外壁に貼り付ける防寒対策に苦労する.
始めはただ傍で監視するだけだったが、途中で、製造中の家の中に入ったりして、結構疑り深い様子.

午前中一杯掛かって、どうにか仕様通りの”雪洞”が出来上がり、元々お住まいの家と較べてみると、我ながら
感心!(なんかの時には、自分も同居させて頂こう.....).
陽だまりに干しておいたお気に入りの座布団を敷き詰めると、「どうぞ〜」という間もなくお入りになり.....

>  ん、まぁまぁの出来やんけ、これは!.
   だけんど、入口の穴から風が入る.どーにか、せいや.

元々の仕様には無かったが、無料でご希望通りのドアをお付けし.....
ちらかった材料の後片付けをしている内、新装なった”雪洞”からは、はやイビキが聞こえておりやした.

新装なった、ミケ子様のお宅
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