サービス員の時代
”夜明けのコーヒ”のこと
なんと言っても、当時我々が一番通った客先の一つは千葉の某石油会社.
ここにはY5、Y1がわんさと入っていて、夏場の定期点検、3ヶ月ごとの巡回点検.
システムの増設や改廃、コールもあったが、最後には、お客様の会議室でY5の
メンテナンス教育までやらせて頂いた.

ここで驚いたのは、朝礼.
朝、事務所に伺うと全員起立して朝礼をされているが、皆さん、自担当の
本日の作業場所を、計器ごとに付けられた「アルファベット2文字、数字5桁」の
番号で会話されている.....

「今日は、XY○○△○□ の調整を実施します.
 事前にO本さんは、YX○□○△○のバルブを閉めておいて下さい!」
「了解しました.XX△□○△△は、大丈夫ですね」
「それは、YY○○□○△の計器で確認しますから、ZZ□○△△○の・・・・・」

まるでパスワードの羅列が延々と続く.
朝礼後、担当者に聞くと「みんな頭の中に入っているから」. 「!!!」.

しかし、コールの時は厳しかった.いや、お客様のお客様が!.
システムが停止すると、目の前の埠頭の先にタンカ−が並ぶ.
懸命に修理している我々の後ろに、同じ建物にある船会社の事務所から荷主のボスがやって来て、
「○○(我々の会社の名前)さん、何時までに直んの?、こっちは船繰りスケジュール変えなくちゃならんのよ、・・・・」.
担当者も懸命に対応してくれるが、結局は我々の腕に掛かっている.
背中に立って責められながらの修理作業がやっと終っても、担当者には、システム復元やら、出荷量の調整やら
色んな仕事が待っているし、我々だって第一船の出荷が終るまで立ち合わなくてはならない.
その間、オペレータの方とじっと待つ(おかげでオペレータの方とも仲良くなり、その方の仲間の持っている「潮干狩り」場に
無料ご招待の話まで...)
夜半まで作業して終ると、明け方の第一船が来るのを待つ.
担当者の計らいで、同じビルにある「タイピストの休憩室」で仮眠(女性の城がこんなものだと初めて理解!).
明け方、日の出を見ながら、順調に船積みされていく姿を眺めつつ、担当者の方の淹れて下さったコーヒ−が、
なんとも旨かったデス!.

しかし、縁と言うものは不思議なもの.
散々お世話になったその担当者の方達が途中入社され、その内のお一人とは、なんと同じ職場の同僚にさせて
頂く事に!.

この時も、つくづく「悪い事しておかなくて、良かったなぁ−」と、心底思った次第.

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