コアメモリ
設計屋の時代
私がいわゆる計算機の設計に従事していた頃は、
まだ”コアメモリ”の全盛期でした.
学校の教科書でしかお目にかかれなかったコアメモリ
の現物を初めて見た時は、感激でした.

写真のコアメモリは、
・4K ビット (4096ビット)
・コアサイズ 15 ml (1ミルは1/1000インチ)
の物です.

縦、横 64本のX,Y線と1本のインヒビット線、1本の
センス線で組まれており、これを縦に17枚積み上げ、
メモリプレーン
4K ワード/1ワード(16ビット+パリティビット)のメモリィを構成しています.
虫眼鏡で良く見ると、ドーナツ形をした1個のコアに、4本の細い X、Y、インヒビッット、センス線が
通っており、
初めて見た時は”どうしてこんな物が出来るのか?”と、大変驚きました.

いつか、打ち合せで、当時、浜松にあった製造会社を訪れた時、製造過程を見学させて頂きましたが
なんと!、女性が肉眼で、小さなコアに4本のリード線を通しており、再びびっくりしました.
勿論、それなりの治具は使っていましたが、リード線も基板に手作業でハンダ付けしており、大変、
高度な技術のかたまりでした.

トラブルで、これをハンドキャリ−した時は、飛行機の手荷物にも預けられず、腫れ物にも触る思いで
膝に抱えて行ったものです.
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