元山岳部長だったU田さんには、公私共に、大変
お世話になった.

黎明期の「谷川岳一ノ倉沢/滝沢下部」を登攀された
方であるが、ついぞ本人の口からその話を聞いた
記憶がない.
滝沢下部と言えば、現在でも超一流の登攀ルートで
あるが、自らの功績を表に出さないU田さんの人柄を
表わしていると思う.

部の例会では、いつも部員の山行報告を黙って
聞いておられたが、時々、ポツンと言われる一言が
胸に響いた様な気がする.
大勢の部員を抱え、みんな結構危ない山行を重ねて
いた時だっただけに、さぞかし自慢げに話す我々の
報告が気掛かりだったに違いない.

”U田さん”のこと

山の日記
芝倉沢にて/春山合宿
何時も部員の安全をハラハラしながら見ておられたのでは無いかと思う.

T村さんとは、山から帰ったその足で、しょっちゅうご自宅に伺った.
垢だらけの体で風呂に入らせて頂いた上、夕飯までご馳走になった.
今から考えると「なんちゅう厚かましさ!」だったのか赤面の至りであるが、奥さんや、当時まだ
小さかった一人娘の由美ちゃん共々、大きな息子達が帰って来た様に、我々を迎えて下さった.
家族みたいに、小学生だった由美ちゃんの夏休みの”星を観る会”で、付添いをした事もある.

お元気だったU田さんが病魔におかされて長い闘病生活に入られた時、会社の昼休みにちょっと顔を
見に伺うと、ベッドの上で、復帰された時に行く山の話や、好きな釣りの話を、楽しそうにされていた
事を思いだす.....

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