森林限界に張ったテントにもぐり込んでホッとした.
午前3時45分に土合駅を出て、ひたすら吹雪の
中を登って来たが、三菱山荘から余りに雪の状態が
悪いので、アイゼンを付け、3ピッチで、やっとこの
森林限界まで来た.
2時間半のつらいアルバイト.
テントを設営し、どうせ今日は白ヶ門の往復だけだと
ゆっくり紅茶を沸かしてテルモスにつめ、8時に出発.
同行は、同じ職場で山好きのY田君
彼は、2月の谷川は初めてだ.

冬の白ヶ門

山の日記
白ヶ門 頂上から、一ノ倉沢全景
先行パーティがあるものの、風が強いので雪が飛ばされ、交代でラッセルして行く.
左側に湯檜曽川を隔てて、谷川岳東面の各沢がよく見える.

トマの耳に引っ掛っていた最後の雲が飛ばされて、空には一片の雲も無くなった.
カンカン照りのだだっ広い斜面や、急なリッジを腰までもぐりながら行く.10時30分、白ヶ門直下の大斜面に
出た.見上げると、先行パーティが降りてくる.後ろ向きになって降りてきたが、途中で1人がザッーと滑落し
潅木に足が引っ掛って止まった.
二人を見送って、斜面に取り付く.稜線に出た所で、右に60度ぐらい曲がって、小さなコブをいくつか越えると
トレースが無くなった.先行の2人は、どういう訳か、頂上へは行かなかったらしい.
忠実に稜線を辿って、11時、白ヶ門の頂上に着いた
丸い、頂上の標識は雪に埋もれて足の下になっており、ずっと下の方に、我々のテントが見えた.
頂上で1時間、谷川には珍しい上天気の山容を楽しみ、下山.
さっきの急斜面は、こんな時のためにと持ってきた6ミリ/10mの補助ザイルでY田君をジッフェルし、
2ピッチ下降して、後はドンドン駆け下る.
テントには、午後1時30分に着く.
のんびり冬山を楽しむ積りでテントを張ったが、余りに時間が早過ぎるので、たちまち下山と決定.
今朝、設営したばかりのテントを撤収するはめになった.
登りの苦労も、うそみたいに1時間で三菱山荘 着.

谷川へ来ると何時も寄るU松の慰霊碑に、今日はゼリ−を供えて帰った.
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72.2.12