1月になると、さすがに丹沢の沢登りに来る人も少ない.

夜中歩いて、大倉から水無川出合いへ.
水量の少ない水無川をつめて行くとF1.軽く左から越
える.今回はT葉さんとU松の3人パーティ.積雪は
10cmぐらいで、滝は凍結しておらず、氷柱に囲まれ
て流れている.F1を過ぎるとすぐ「セドノ沢」出合い.
右俣のF4、セドノ沢大滝を登るために右へ曲がる.

■セドノ沢右俣
出合から、いくつかの氷結した滝もなんなく通過し、
右側からガレ沢が入ってすぐ、大滝が現れた.
上段5m、下段30mの大きな滝で、黒々とした岩に
うっすらと雪が積りツララが下がって陰惨な滝.
冬のためか流水は少ない.T葉さんがTOPで滝の
左側、フェースとカンテのコンタクトラインを直登する.
10m上の大テラスで1ピッチ目は終了.

セドノ沢右俣

山の日記
セドノ沢右俣大滝 1ピッチ目を登るT葉さん
冬の水無川本谷と、セドノ沢右俣の記録です.
岩には雪が張り付いており、ビブラム靴が滑りそうで怖い.
2ピッチ目はフェ−スを登り、落口へのトラバースバンド入り口まで.ここから落口までの、靴幅しか
ないトラバースバンドが核心部である.若干、斜上しているバンドは狭い上、岩を回り込むようにトラバース
するので短い割りに手ごたえがある.足元からスッパリ切れ落ちて高度感もすごい.
トラバースの終了地点で落口へ移る時、どうしても体重が移せなくなったが、T葉さんのアドバイスで左手を
伸ばすと、プッシュホールドがあった.このホールドがトラバース出来るかどうかのの決め手の様だ.
3人が落口に終結し、すぐ右手の岩を登って、3回のアップザイレンで取り付き点まで下降.
右俣の出合へ戻る.水無川本谷へ戻って再び本谷の遡行を続行.

■本谷
足が揃っているので、どの滝もノーザイルだが、滝が凍結しかかりでいやらしく、ビブラム靴で氷に乗りながら、
何とか誤魔化しつつ行く.やがてF9、水無川本谷の大滝:20mに出た.本谷をぐるりと囲む様に全部、壁.
中央付近に流水がある.ザイルをつけて、左壁のザレたクラックを登り、リッジに跨って、右岸を滝の落口へ.
ガスって来て、周りは乳白色にボヤけて来た.
積雪も増してきて、白一色の本谷を石に躓きながら登って行くと、本谷の最後F10に出た.ここは左岸の壁を
登って落口へ出たが、女性の2人パーティが直登しようとして途中でつまっており、止む無くT葉さんがザイル
を投げて2人を引張り上げた
(その間、U松と自分は寒さにガタガタ震えながら、待つ!).
やっと上がってきた2人とは落口で別れ、本谷つめのガレ場を登って、足首がすっぽり埋まる積雪になった稜線
に出て左に少し登ると、塔の岳山頂だった.
山頂からの大倉尾根は、雪の代わりに「全面結氷」しており、頼りになる潅木も無く、アイゼンも持ってきていない
ので、ツル、ツルよく滑る!.沢登りより難しい尾根道を、一目散に大倉へ転び下りたが、来る時は歩いた道も、
バスが快調に運んでくれて、無事、小田急線渋沢駅へ戻った.

翌日は、一日中、大倉尾根で打った両腰が痛かった......
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67.1.15