部の春山合宿は、白馬岳周辺で行われたが、T永先輩
の”蓮華温泉の露天風呂でビール!”に釣られ、後半、
2人で蓮華温泉までスキ−・ツア−をした.
合宿参加者は10名.

白馬岳〜蓮華温泉(スキー)

山の日記
白馬岳 頂上山荘付近にて
本格的なスキ−・ツア−は初めてでした.
■4月26日(晴)
夜行で白馬駅まで来て、車に分乗し、猿倉荘の近くまで入り、猿倉台地にベース設営.大雪渓入口まで雪の
状態を偵察しがてら、赤布を付けに行く.

■4月27日(小雨):双子尾根
S島、S原と 双子尾根を登って、杓子岳へ.
小日向のコルまでラッセルし、双子尾根を忠実に登る.小日向のコルから4時間、ザイルを使うことも無くアイゼン
も付けずに杓子岳北峰.稜線に出た途端、もの凄い風と雨で、白馬村営小屋までは、みんな頬に当たる雨が
痛いので顔を右に向けて歩く.小蓮華尾根のM本パーティ、大雪渓のK木パーティと合流し、大雪渓を1時間で
下りベースに帰着.

■4月28日(快晴):大雪渓〜白馬大池
小蓮華尾根、双子尾根、白馬主稜とみんな散って行き、T永さんと2人、大雪渓を登る.天気がいいので、大雪渓
は蒸し風呂の様な暑さ.村営小屋で大休止した後、頂上山荘へ.K木のパーティと合流し、程なく主稜を登って
来たM本のパーティも来て全員集結した
.彼らはこれから下山のみ.T永さんと自分は、白馬大池まで行かなく
てはならない.「無事に、蓮華温泉まで着ける様、祈ってくれよ!」と、本気でそう言って出発する.
午後1時、白馬山頂のでかい方向指示盤で休み、遠くに見える小蓮華岳を眺める.
ここから、なるべく雪庇に乗らない様左寄りに歩く.クレパスが縦横に稜線上を切っており、一度落ちると助けを
借りないと脱け出せない.三国境を1時40分に通過、一度少し下って、小蓮華岳に着いたのは3時を過ぎて
いた.稜線にガスが去来し始めたので、急いで白馬大池へ.夏道ははっきりしない.T永さんがスキ−を履くと
言うので先に行く.ガスで周りは見えないが、白馬大池らしい大雪原に出た.重かったスキ−を下ろし、山靴に
合わせたジルブレッタを滑降用にセットして、T永さんの後に続く.
いつ、大池の水面が目の前に出てくるか気が気でない滑降をして、やっと屋根の一部が露出した大池の小屋
の前に出られた(翌日見たら、大池は完全に雪の下だった).
近くのでかい岩塔の下にテントを張る.明日の事は分からないからと、二人して、旨い物からドンドン食った.

■4月29日(快晴):白馬大池〜蓮華温泉
キジを打ってスッキリし、テントを畳んですぐスキ−を付ける.小屋前から大雪原になっている大池を横断し、
エッジを効かせて乗鞍岳の裏を登る.這い松の上を強引にスキ−を滑らせて行くと、天狗っ原の大斜面の上に
出た.急なので、慎重にキックターンを繰り返し、天狗っ原に降りて蓮華温泉へのコースの入口、大きな樺の木
の所に出た.大休止してコースを確認(ここでミスし、弥兵衛沢に向かう所、1本隣の沢へ入ってしまった!).
7時、沢に向かって滑降を始める.しばらく息もつかずに滑り、沢状を呈してくると、気持のよい振り子滑降に
なる.
1時間程滑った所で、沢の状態が聞いてきたのと随分違う事に気付いたが、後の祭り.
左側の大きな支稜を登り直すと、さらに左側に風吹大池への尾根が見えた.うんざりしつつも一度下降し、また
風吹大池の尾根に登り直す.着いた所は、風吹尾根、標識No.44 の所だった.既に8時30分になっている.
ここからさらに左側の弥兵衛沢へ緊張した下降(実は、ズリ落ちて!)をして、やっと本来のルートに戻った.
降りた所から弥兵衛沢を行く.しばらくは快調だったが、やがて激しい水音を立てている滝上に出て、死ぬ
思いで一気に滑降.こんな所が2〜3ヶ所あり、弥兵衛橋の下に出た時は心身ともにくたびれ果てていた.
橋の上から夏のバス道を通り、いくつか支稜のすそを滑って行くと、待望の蓮華温泉があった.10時着.
うまい具合に雨が降り出したので、一も二も無く泊まる事になった.同宿者:2名.
濡れた装備を全部出して部屋に干し、露天風呂でベースの連中には言えない、お約束のモノで乾杯!.

■4月30日(曇):蓮華温泉〜平岩駅〜帰京
蓮華温泉を5時に出る.角兵衛峠までの登りはシールを付けてジルブレッタを登り用にセットすると、まあまあ
順調に1時間で峠に出られた.しかし、またまたルートを間違えて、峠から稜線を辿って行ったために、散々な
目に遭って、バス道に下りた(昨日の同宿者も我々のトレールについて来てしまった).
3人で、随分急な斜面を下り、結局、細い稜線上を最後まで辿って、バス道に下りる.
バス道をセッセと滑り、11時30分 木地屋の部落に出て、スキーを脱ぐ.
昨日から、約1500mを滑り降りて来た事になる.
民家に寄って、タクシ−を頼み、この家のかわいい子供にコンペイ糖をあげたら、お返しに野沢菜の漬物やら
お茶をごちそうになる.
大糸線の平岩駅までタクシ−で行って、帰京.

T永さんには随分、迷惑を掛けた.
スキ−の下手な自分がここまでやれたのも、T永さんのおかげだった..
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