冬合宿に続き、再度、聖岳周辺に入り、
赤石沢源流の各沢をトレースした.
南アルプス南部の地域研究がここ数年の
部の方針だったので、この地域の沢を
トレースする必要もあった.
メンバ−:B場、Y川、T樫、T村、H、F沢
      K山、K木、U松、F井

赤石沢源流/奥雪渓沢

山の日記
兎岳からの聖岳
夏合宿で、赤石沢源流をトレースした
記録です.
■7月30日(晴)梨元〜大沢渡
梨元から、20kmの軌道を歩く.枕木とにらめっこしながら北又渡を過ぎ、大沢渡へ.
うだる様な暑さに耐え、大沢渡に着くと、すぐテントを張った.
二張りのテントに10名は少しきつく、シュラフを持って外で寝るメンバ−も居た.

■7月31日(晴)大沢渡〜大沢岳コル〜中盛丸山〜兎岳コル
大沢渡から黄蓮尾根を登り、大沢岳コルへ上がって縦走路に出る.這松のねじ曲がった根に足を取られながら
中盛丸山を越え、兎岳のコル着.ここに幕営し、明日から2〜3パーティに分かれて赤石沢源流へ入る予定だ.

■8月1日(快晴)兎岳コル〜奥雪渓沢〜聖岳/奥聖岳〜兎岳コル
Y川さん、T村さんと奥雪渓沢に入る.昨日見た所では、最後の頂上直下が急で登れるかどうか心配だった.
3人で兎岳への縦走を歩き、兎岳手前のちょっとしたコルから這松をこぎ、赤石沢の下降ルンゼに入る.
沢状になって来て涸れた沢床をドンドン下ると、大きな雪渓に行き当たった.急なので木の枝を拾いグリセードする.
ここまで来ると、完全に沢の中で稜線は全く見えない.明るい広大な雪渓の傾斜が少し緩んで来た頃、目指す
奥雪渓沢の出合に着く.雪渓の傍らに、テント2張は張れそうな平坦な幕場が作ってあった.出合にザックを置き、
この下の無名沢の偵察に往復、奥雪渓沢に戻る.
雪渓が続いている様なので靴のまま出発.大きな滝が半分程雪渓に隠れて、ゴウゴウと不気味な水音が
していた.雪渓から岩に移る.途中でワラジに履き替えて、本格的な沢登りになったが、両岸の開けた明るい
ナメと小滝の連続で、大した難場も無く快適に飛ばすと、兎岳から見えた赤と白の砦の様な巨岩に出た.
ここで沢は二つに分かれ、左手が本流らしい.この地域特有のラジオラリアの巨岩をえぐる様に30m位の滝が
落ちている.早速、登攀の準備をしてT村さんと取り付く.Y川さんは右手のリッジを登って落口に出、我々の
写真を撮ってくれている.T村さんは、シャワ−の様に水を噴出している滝の下部を登って、15m程、水線通しに
右岸を上がり、ハーケンを1本打って落口に消えた.セカンドのため、割りと楽にこの滝を上がると、聖岳と奥聖岳
のコルへダイレクトにモレーンが競り上がっていた.ザクザクの砂みたいな急斜面で、靴に履き替え直登する.
落石に注意しつつ、コルに飛び出すと、きれいに一直線に奥雪渓沢が出合まで見下ろせた.
3人で握手して聖岳の頂上へ.
気がつくと、聖の北尾根を下降し1ビバークで大雪渓沢を登って来るB場パーティとの交信時間.
焦って、奥聖岳を越え、大雪渓沢のつめに走ったが、トランシーバ−のアンテナを落としたらしく無い!.
そこらに落ちていた針金を拾って、どうやらB場パーティと交信.
のんびり兎岳へ戻った.

■8月2日(快晴)兎岳コル〜聖岳〜兎岳コル
他パーティのサポートで、昨日登った聖岳に、もう一度登る.頂上で全員集まるまで、のんびり昼寝.
揃った所で、ゆっくり兎岳のコルへ帰った.

■8月3日(雨)兎岳コル〜大沢渡〜梨元〜平岡〜辰野経由で帰京
後3日間残るT村さん達3名を残し下山.雨の中を、大沢渡から軌道を歩き、平岡に出て今日中に帰るメンバ−
は豊橋に出て東海道線で、自分はB場さん達と辰野経由、中央線で帰京.
東京に戻ったのは、翌日の朝だった.
TOP I BACK
66.7.30