谷川岳集中登山で、我々4名(T樫、T村、S島、F井)は南面
二股にベースを張り、オジカ沢、ヒッツゴー沢を登った後、中ゴ−
尾根から本峰へ行く事になった.

■6月30日(晴)東京〜水上〜谷川温泉〜二股
お昼に会社を終ってすぐの列車は、夜の9時頃、水上に着く.
谷川温泉までどうして行こうかと思案していたら、S島がトラック
に話を付けてくれたので、楽に谷川温泉まで入れた.
満天の星空を仰ぎながら谷川沿いに歩き、静かな、我々だけの
二股に、テントを張った.

■7月1日(晴)二股〜オジカ沢〜中ゴー尾根〜二股
全員でオジカ沢に向かう.
右にヒッツゴー沢を見送ってオジカ沢へ入ると、程なく雪渓が
現れた.末端は非常に移りにくい雪の段になっていたが、
ピッケルを使って雪渓上に這い上る.

南面 オジカ沢

山の日記
オジカ沢の大滝
7月に4名でオジカ沢を登った記録です.
魚止めの滝は、滝壺まで雪に覆われていて、右岸の草付きを高まく.
落ち口の雪渓へ下り、遡行を続ける.
滝は全部雪渓の下にかくれ、ただスタスタと歩くだけで、ちょっと拍子抜けする.
幕岩Bルンゼを左に見て雪渓が広くなって来た頃、正面にオジカ沢最大の滝”大滝”が現れた.

広河原に出たのだ.
ここまで来ると左手の幕岩が頭上にかぶさる様に迫り、ちょっと不気味なムード.大滝は50mあるが、
その1/3は雪渓の下で、すさまじい水音がしている.
T村さんと二人で偵察に行く.深いシュルンドが開いているので、あちこち捜して、やっと岩に移れそうな
場所を見つけ二人の所に戻った.
昼食後、さっき見つけたシュルンドの狭くなった場所で、T村さんとS島、F井とT樫さんでザイルを結ぶ.
夫々のピッケルを雪渓に打ち込んで、ビレーポイントにし、登攀を開始.
T村パーティが先に登り始め、落石が止んだ所で後に続く.
登攀ルートは大滝の右岸、草付きの60度位のフェースだ.雪渓にステップを切って岩に移る.
足元は、奥が見えない程の深さをもつシュルンドで、気持が悪い.
ダイレクトにフェースを登る.難しくは無いが、岩が脆いので時々足元から落石を出す.途中、ちょっとした
トラバースに錆びたハーケンが打ってあった.指先を引っ掛けてホールドにする.
40m、ハーケンを1本も打たずにザイル一杯伸ばして潅木にビレー、T樫さんを迎える.さらに垂直の潅木帯を
1ピッチ伸ばし、コンテニアスで幕岩の基部を大きく右にトラバースすると、大滝の上の小さな滝に出た.
ボルトの打ってあるこの小滝を1ピッチで抜けると、再び雪渓.
ザイルを解き、冷たいトマトなどを食べて、再び雪渓上を登り続ける.
中ゴ−尾根からも見える、60m位はあろうかと思える大ナメ滝を越えると、後は源流地帯になる
右手の尾根に移り、草付きの長い急斜面をブヨに悩まされながら登る.
青い草原に出て、折角、ムードは良いのにブヨだけが、頭に来る.我々の周りだけ固まっている様だ.
オジカの頭に出て、やっと、ブヨから開放された.

帰りは、中ゴ−の頭から、ひどく急な中ゴ−尾根を駆け下って、二股のベースへ戻った.
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67.6.30