仙の倉沢には、大きな沢が3つあるが、登攀対象は
東ゼン、中ゼン、西ゼンの3本.
沢登り経験2回目で、西ゼンに連れて行かれた.

昨夜は最終の列車で来て、肌寒い夜道を群大ヒュッテ
まで.ヒュッテの前でビバークの予定が、丁度、来合せ
ていた学生の好意で泊めて貰う事になり、おかげで、
暖かい夜を過ごせた.
今回は、O沢さん、T樫さんに同行

6時にヒュッテを出て、仙の倉沢から東/西/中ゼン
の、3つの沢が合流する出合いまで1ピッチ、約40分
で歩く.
出合から見上げる西ゼンは、上部がガスに隠れて第一
スラブしか見えない.
ワラジに履き替えて出発.秋口なので、水流が少なく、
おかげでワラジのフリクションが良く効いた.
第一スラブまでは、小滝やナメの連続だったが、程なく
第一スラブに入る.

仙の倉谷/西ゼン

山の日記
西ゼンは、広大なスラブの沢でした.
10月の記録です.
出合からの西ゼン
大きく広がった巨大な第一スラブは30度位の傾斜で、スリップすると、確実に出合いまで転がり落ちるので、
慎重に、大きくスラブを回り込む様に直登し、スラブ上部のテラスで大休止.
ここから、10m位の滝を右から越えると、第二スラブ.

約300mの広がりを持つ第二スラブは、大きさも斜度も第一スラブをはるかに越え、中間点に逆層の岩の
出っ張りがあり、いやらしい.
ずーと右上方の稜線には平標新道が通っているので、のんびりと行く登山者の姿が良く見えた.
第二スラブは、スラブの左端に水流があって、その少し右を、スリップする事だけを注意しながら水線に沿って
登った.第二スラブが終ると、2つの巨大なスラブを持つ西ゼンの核心部は終了.
終了点で、藪漕ぎに入る前に昼食をとる.
持っていったザイルは、ビレー点も無く、結局使わなかった.
約30分休んで、根曲がり竹の、猛烈な藪こぎを開始.三人三様の姿勢で、夫々道を求めて上へ上へ登った.
もういい加減精根尽き果てた頃、やっと平標新道に出られ、きれいな池糖で大休止.
ここから、平標山を越えて仙の倉岳を往復した後、木の根が至る所に張り出している、急な平標新道を下った.
右下に西ゼンのスラブが小さく見え、あそこを登って来たんだと思うと嬉しかった.

この下りで、先頭を行く自分が「地蜂の巣」を踏んだらしく、後から来たO沢さんとT樫さんは、ハチから集中攻撃.
二人を散々な目に合わせてしまった......
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65.10.3