夜が明けるまで、同行のS島、K子の三人で三ッ峠駅
の待合室に寝る.装備を極端に減らしたので、三人
でツエルト一張りのみ.吹きっさらしの待合室で、
狭いのでゴミ箱を動かせて貰い、コンクリートの上に
直接寝たら、朝方、体の方々が痛かった.

6時半に出発してダルマ石に向かう.
1時間でダルマ石着.すぐ右手の沢に入り、けっこう
遠回りして枯れた藪をこぎ、コーモリ沢F1に9時着.

冬のコーモリ沢

山の日記
山岳部の月例山行で、2月のコーモリ沢
を登った記録です.
コーモリ沢 F2 
F1は氷結しておらず下部10mはスラブ状で流水がある.
スラブを登って2m程トラバースし(途中にハーケンあり)、小さな滝壺へ.さらに右の垂壁を2m登って
落口へ出る.三人集まった所でF2へ向う.
F2の少し下から氷が現れ、程なく、青白く氷漠となったF2に出た.氷壁用登攀具を付け、出っ歯アイゼンを
履く.先行者のステップを切り直しながら5m直上し、スクリューハーケンをネジ込む.
落口へ出てさらに5m程登り、普通のコの字ハーケンを打ってビレーする.氷層が薄く氷がビシビシ割れるので、
コキジでもうって固め様と思ったが、どうせ回収するのは自分なので止めた.S島もK子も調子よく上がって来た.
ザイルを巻いて、F3へ向かう.
F3は、両端が極端に狭くなった18mのチムニー状の滝で、今にも崩れそうな細い氷が一筋ついており、これが
ルートの様だ.再びザイルを付け「崩れるかも知れんから、頼むぞ!」と、声を掛けて登り出す.
サラサラ水の流れる細い氷にソッとアイゼンを乗せ、5m登って両手のつっぱりで体重を分散させながら上部の
氷にピッケルを打ち込んだ.体が安定した所でチムニー状を抜け、落口へ乗っ越す.
F4 20mは三パーティが待っていて左岸を高まく.F5は15mの完全な氷漠で、文字通りのブルーアイスに
なっていた.また二パーティ取り付いている.おまけにアベックの男性が、アイステクニックのコーチ風にカッテ
ィングを披露しているので、下にいる我々の所にも氷片がバラバラ飛んで来て、危ない事この上も無い.
滝の左側を出ッ歯アイゼンの爪先だけ効かせて直登し、中段のテラスから正面にスクリューハーケンをネジ
込んで先行パーティを追い越させて貰う.K子をジッフェルしていたら、真上を先程のアベックが、アイゼンの
歯を全部見せて登り出したので、慌てて避難した.
F6 20mは、氷が剥がれてスラブに水が流れており、ザイルを使って左岸を高まく.
いよいよ大滝に出た.全面青氷の大きな滝だが、既に三パーティ待っている.雪が激しく降り出して来たが、
我々はぜがひでもここを登ろうと、寒さに震えつつ、足踏みしながら待つ.
2ピッチ目を登っていたパーティが一抱えもある氷を落とし、キャ−と三人共、飛び上がって逃げた.
我々の前は例のアバック.やっと取り付いたと思ったら、折角切ってあるステップは崩すし、アイスハー
ケンの束が風を切って落ちてくる.最後にザックが落ちてきた所で、とうとう1時間待った大滝を諦め、
右岸の高まきルートに入る.ここも結構悪く二パーティつまっている.雪がさらに激しくなって三人共、
真っ白.先行パーティに断って先に登り、ザイルを20mフィックスして全員上がって貰った.
ここから大滝上まで大きくトラバースし、事実上のコーモリ沢を終了した.
登攀具をしまい、雪の積もった沢をつめると、白雲荘手前の登山道にひょっこり出られ、そのまま三ッ峠
駅まで下った.
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