前穂・北尾根は、一度は行ってみたい所だった.T樫さんと、
ここを登って、1ビバークで槍まで縦走した.
■7月30日(快晴)涸沢〜北尾根〜前穂・奥穂・北穂〜中岳
4時過ぎには、ベースの全員、夫々のルートへ散った.
奥穂までは、Hさんが同行する.
5・6のコルへ登る積りが、間違えて6・7のコルへ上がって
しまう.お陰で、1峰、得をする.
300張りはあるかと思うほどの、涸沢のテント群を見下ろし
ながら、
北尾根を稜線通し忠実に辿る.
5峰はガラガラした岩の積み重なりで難なく通過、4峰も
奥又白側へ廻り込むらしいが、かまわず直登.
3峰のでかいチムニ−を抜け、広いテラスでザイルを出す.
5m程の凹角で頭上を大きな岩に抑えられた短いピッチ.
岩の下を通過する時、ピッケルが岩に当たっていやらしかった.
前穂の頂上へは、跨る様な細いリッジを通って着いた.
涸沢から、4時間だった.
前穂頂上は人の山だったので、早々に吊尾根へ下り、奥穂へ.

前穂高・北尾根から槍ケ岳(夏)

山の日記
3峰の
チムニ−
夏の合宿で、涸沢〜前穂・北尾根〜前穂〜
奥穂〜北穂〜槍〜涸沢と、二日間で一周した
山行記録です.
奥穂から、ジャンダルムを往復し、奥穂の小屋12時30分着.
ここで、涸沢へ戻るHさんと別れ、涸沢槍へ向かう.
例の鎖場で、又〃、長時間待たされたので、その後は、北穂まで遠慮せずにドンドン追い越させて貰う.
ガスっているが、さっき登って来た前穂・北尾根がきれいに見える.
北穂で少しのんびりしてから、キレットへ下降.
午後3時を過ぎると、キレットを通る人も少なくなり、ピッチが上がる.しかし、2人共、だいぶ疲れて来て、
時々、岩角を掴んでは、フーッとため息をつく.細い岩稜を嫌になるほど辿って、やっと、南岳の長い
ハシゴの下に到着.
もう夕暮れとなり、焦ってハシゴを通過、やっとなだらかな南岳に出られた.
南岳の小屋を横目に見ながら”中岳の水場まで行けるかなぁ、この調子では行けないぞ、それにしても水が
ネェ”と考えながら歩いていたら、ちょっとした岩の傍に雪渓が残っており、水がポタポタ落ちていた.
たちまち、ここでビバークと決定!.
落ちていた空き缶に水を溜めて夕飯を作り、持っている物を全部着込んでツエルトにもぐり込んだ.
寒い夜だったが、2人共大イビキで良く寝られ、朝方、ツエルトの外に足がはみ出していた.

■7月31日(快晴)中岳〜槍・肩の小屋〜横尾〜涸沢
出発準備をしていたら、北穂から来たM月さんとS島のパーティに声を掛けられた.
何の事はない、彼らも目と鼻の先の中岳で、ビバークしていたとの事.久し振りに会って話に花がさく.
彼らは、これから天狗っ原経由で涸沢のベースへ.我々も、槍から、槍沢を下って、横尾経由で涸沢へ行く.
ベースでの再会を約して2人と別れ、槍へ向かう.
中岳からは、昨日辿ってきた穂高連峰が朝日に輝いていた.
槍の肩の小屋に着いて様子を見ると、取り付きから槍の穂先まで人の列で、なんと、ハンドマイクで交通
整理しているではないか.これを見た瞬間、2人共、登る気がしなくなって、一路、槍沢へ下った.
雪渓が豊富なので、斜面を選んでは、グリセードで長い槍沢を下り、一の俣、横尾と通過.
2日前に通ったばかりの、長い涸沢の登りに入る(涸沢が見えてからの長いこと、長いこと!).
ヨタヨタと、昨日と同じムードでベースに到着.
テントの傍にドサリとザックを置いて、”ただいま−!”と、声だけは元気に呼びかけた.
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67.7.30