先発隊(6名)、後発隊(7名)に分かれ、
北岳に入った.
先発隊は、年末から砂払いの頭にベースを
設営し、農鳥岳まで行く予定だった.
自分は、後発隊で参加.
冬の北岳
山の日記
ボーコンの頭から、北岳
■1月2日(曇)甲府〜芦安〜深沢下降点
甲府からタクシ−で芦安まで行き、マイクロバスに乗り換えて、深沢下降点の壊れた工事用の小屋へ入る.
途中のトンネルは左右からの湧水が凍り、マイクロバスの車輪が滑って尻を振る.
座っていると、そのたびに体が左右に振られ、シュラフに入ってからも、その感触が残って変な感じだった.
■1月3日(雪)深沢下降点〜野呂川吊橋〜池山小屋〜砂払いの頭(ベース)
深沢から野呂川まで下降し、一人一人傾いて橋げたの所々飛んだ吊橋を渡る.吊橋を渡った地点から、
池山吊尾根に取り付く.この尾根は急だが、1ピッチごとに平坦になって、休むのには丁度良い.しかし、
今朝降りて来た林道と同じ高さまで登り返すまでがきつい.
池山小屋に11時半着.林を切り開いた平坦地に立つ小屋は、丸太作りの山小屋らしい作りだ.お茶を頂いて
昼食を食べ、先発隊がデポした物資をパッキングして出発する.雪が降り始め、森林帯を抜けるまで疲れもあって
ピッチが落ち危なくビバークかと思われたが、午後4時半に砂払いの頭の直下に設営されたベースに到着.
農鳥岳に向かったアタック隊は、天候悪化でベースに帰れず北岳稜線小屋泊まりになっている事を知る.
■1月4日(快晴)砂払いの頭〜北岳(往復)
間ノ岳へ行く予定だったが、今日は天気が悪いと予想されていたので、昨夜の内に中止と決定されていた.
しかし、朝起きると快晴.せめてもと、北岳を往復する事になる.
ボーコンの頭に出ると、北岳バットレスが正面で、懐かしい第四尾根や中央稜が見える.
ここから岩場状の八本歯に入る.バットレスに向かうパーティの物らしい麻ザイルが固定されていたので、
利用させて貰う.11月に偵察に来た時は積雪もたいして無かったが、さすがに1月になると、まるで雪の
量が違う.北岳はあっさりと終了しベースへ帰った.
夜は、S島、U松の作った雪洞に入り、先発隊の苦労話に花がさいた.
■1月5日(快晴)砂払いの頭〜中白根(往復)〜池山小屋
S島、U松と中白根を往復する.フイックスザイルを使って八本歯のコルに降りたとき、後から来た別のパーティ
の女性が滑落し、危なく八本歯沢へ落ちていく所だった.フイックスの末端にブラ−ンとぶら下った時には
びっくりした.
アイゼンを効かせて北岳のトラバースを終え、岩を抱いてトラバースする所が1ヶ所あっただけで、あとは
北岳稜線小屋まで夏道通しに行く.小屋の前を通り、中白根まではだだっ広いアイスバーンが続いていた.
U松をモデルに、S島と逆光でカッティングする姿を撮る.
中白根の頂上からは、雪煙を上げる間ノ岳が良く見え稜線がきれいに遠くまで続いていた.
帰りは北岳稜線小屋に寄り先発の苦労した跡を見てから、また、凍った北岳のトラバースルートを通り、
八本歯を経てベースに戻った.八本歯付近では通りかかった人に頼んで、3人で記念写真を撮ってもらう.
出るとき約束した午後1時にベースに着くと、既に撤収が始まっていた.
ベースを畳んで池山小屋まで下る.
■1月6日(曇)池山小屋〜野呂川〜吊橋〜深沢下降点〜甲府〜帰京
池山小屋から、偵察のとき通った弁天新道(池山小屋のオヤジが開いたらしい)を下降し、3時間で野呂川に
出る.吊橋を渡って、後は、落ち葉の下の氷をカッティングしながら、林道まで1ピッチで上がった.
深沢下降点では、合宿の残りの食料をみんなで囃しながらセリに掛けたり、売る物が無くなると、林道の
石垣を何処まで落ちずにトラバース出来るかの競争をしたりして迎えのマイクロバスを待ち、来たときと
同じ様に芦安から甲府まで出て、帰京した.
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