■11月3日(曇ー雪)大町〜扇沢〜爺〜鹿島槍
昨夜は大町のステーションホテル泊.
今回は、S島と2人だ.
黒四ダムの入口、扇沢まで車で入り、扇沢の出合まで
バックする.6時に出合を出て、爺岳南稜を登る.
この道も3回目.南稜の末端は直登しているが、
しばらく登るとトラバースになって種池までは問題ない.
種池小屋の直下の急なガレを登ると、なつかしい赤い
屋根の種池小屋.扇沢から3時間半で到着.
この辺からの鹿島槍は、晴れていれば立派な山容が
見えるのに、今日は布引岳から上がガスっている.
1時間も休んで、爺岳南峰に向かう.爺岳のトラバース
を終って、冷池小屋.
ここでも30分休み、この上のテント場に泊まろうと
思って行って見ると、なんだかうら寂しい所なので
行ってしまえと言う事になり、そのまま通過.
布引岳に上がると、ガスの中で風も強く、周りは全く
見えない.鹿島槍南峰の登りに入る.

初冬の爺ケ岳〜五竜岳

山の日記
鹿島槍・南峰の頂上にて
11月に爺ヶ岳から、鹿島槍、五竜を縦走した
記録です.
こっちはくたびれ果ててフラフラになっているが、S島は相変わらず、疲れた風でも無くドンドン登っている.
頂上直下はかなりの積雪で、吹き溜まりは1mを越す.

鹿島槍南峰へ這い上がると午後3時になっていた.
ミゾレが雪に変わって、頂上だけあって吹き飛ばされそうな風だ.冷池側の雪を削って、ボンボンテントを
張ろうとするが、風で吹き飛ばされそう.これが無くなったら悲劇の一夜になるので、風上側にピッケルを打ち
込んで張綱を固定し、荷物を入れて重石にした.中へ入ると、小指程の支柱だから良くしなってペっチャンコに
なる感じ.夕食の後、明日の予定を話し合ったが、明日になって決める事にして寝た.夜中に余りテントが揺れて、
冷池側に飛ばされそうになり、S島を起してジッフェルしてくれとザイルを出す.

■11月4日(ミゾレ)鹿島槍〜五竜岳〜遠見尾根〜地蔵の頭(...の、先)
6時頃には起きていたが、相変わらず天気は良くない.先の長い事だしと、2人で相談している内にまた寝て
しまう.7時頃、少し明るくなって来たので、ベンチレータから外を覗くと、雪はやんで、ガスっているだけ.
行く事にして、急いで朝食を済ませ、テントを撤収する.アイゼンを付けて、8時30分に南峰を出る.
ここから見る五竜への稜線は、ガスの中に雪と岩がミックスして遠くまで続いていた.
南峰の下りは、何度通ってもいやな岩場の下降だ.おまけに雪が不安定に岩に張り付いている.
北峰のコルに出てホッとする.北峰をトラバースしてキレットへ下降.岩が多くなり、アイゼンを脱いだ.
キレットは大した雪も無く、底の鉄のハシゴもクサリも全部出ていた.右斜上バンドを通過してキレット小屋へ.
キレット小屋には、風を避けて2パーティ程入っていた.
10時過ぎに小屋を出て、長い長い五竜岳への稜線を行く.G5や、北尾根の頭はガスで全く分からず通過.
キレット小屋から殆んど休まずに3時間、やっと五竜岳の肩に着き、稜線から外れた頂上を往復.
五竜小屋の前で休み、白岳を通って行くか白岳沢に下るか検討する.
白岳沢は、けっこう積雪もあるがトレースもあるので、ここを下る事にして、小屋の前から下降.雪は膝まであるが
気持良く、ドンドン下れた.白岳側の長い長いトラバースを終って、西遠見とのコルで一休み.
鹿島の頂上を遅く出たバツで、遠見尾根は夕闇と競争で走った.
西遠見の池も、大遠見の池も、小遠見もまるで休まず、樹林の中のドロンコ道をポンポン飛んでいく.
地蔵の頭を巻いて藪と湿原を通り、枯れた草原に出て、やっとザックを下ろす.時刻は、丁度5時.
この頃は、やっと相手の顔が見分けられる程の暗さになっていた.
鹿島槍から8時間半.我々にしては良く頑張ったものだと、お互いの健闘をたたえ合う.
明日は下山、テントの中でコンロをドンドン焚き、濡れきった衣類を干した.

■11月5日(小雨)地蔵の頭(...の、先)〜神城駅〜帰京
今日は神城駅まで歩くのみ.それでも、6時に幕営地を出て、1時間半後には、神城の駅にいた.
アルプス4号で帰京.

3日間、天気の悪い縦走だったが、二人とも力一杯やったせいか充実した山行だった.....と、思う.
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72.11.3