石尾根をスキーで下降した時の記録です.

奥多摩 スキー行

山の日記
鷹ノ巣山頂から石尾根方面
■1月22日(晴)鷹ノ巣山〜石尾根
奥多摩駅発、朝一番の日原行きバスに乗り、
東日原に着いたのは自分一人だった.
稲村岩を正面に見て日原川に下り、橋を渡って稲村
岩尾根に取り付く.この尾根は、鷹ノ巣山頂へダイ
レクトに上がっているので、いつも汗をかかされる.
おまけに今日は、重いスキ−を担いでいる.この登
りを予想して朝一番のバスで来たが、やっぱりバテ
て、時間が掛かる.
雪は平均して膝まであるが、先行者のトレースの
あるのが幸いである.頂上が近くなるにつれて雪も
深くなり、頂上直下で腹まできた時、突然、トレース
が無くなってしまった.
もうこうなるとスキ−を担いで登れなくなったので
デポし、空身でラッセルしては荷を取りに戻る事を
繰り返したので、短い距離なのに30分も掛かって
しまった.登りっ放しで4時間、やっと快晴の鷹ノ巣
山頂に到着、頂上の雨量計のある小屋を廻って
スキ−を立て、暫くボケッとする.
石尾根も雪が一杯あり(前途の苦労も知らず)胸が
高鳴った.
一休みしてから、さてっとスキ−を履いた途端、雪
の重さがまず、足に来た.ザックが重い上に湿雪
なので、足首まで、スキ−が潜ってしまうのである.
ボーゲンでスタートすると、股はダンダン離れて行く
し、スピードは増すしで、50mも滑るとすぐ頭から
雪の中に突っ込んでしまった.
次は、斜滑降にしてみたが、結果は同じ.
思い切って、直滑降したら、もの凄いスピードが出て吹き溜まりに頭から突っ込み、セフティは外れ、ザックは
何処かに飛んでしまった.
鷹ノ巣山を下り切った所で、やっと平坦になったがスキ−は深い雪に埋もれて全く滑らない.

周りの雪景色を見る余裕さえなく、ひたすら汗びっしょりになってラッセルする.次の斜面では、もうスキ−を
履かず、先に流して後から下った.下へ着いてスキ−を回収したら、流れ紐が一本無くなっていたが、探す
気力も無く、またスキ−を履き、ラッセルする.切り開きが狭くなって来たので、忠実に石尾根を下るのは諦め、
右下に見えるトラバース道へがむしゃらに木の中を下りたら、片一方の流れ紐も無くなってしまった.
六ッ石山を巻いて森林帯へ入ると雪が少なくなってきたのでスキ−は担ぎ、三の木戸山を経由して、ただ
ひたすらにスキ−の重いのを罵りながら、夕闇迫る氷川の駅に急いだ.

自分のスキ−技術の無さを証明した一日だった.

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72.1.22