夏の合宿で、T葉さん、M本と、大源太山から国境稜線を
縦走し、仙の倉岳の北尾根を下って出合いに張られた合宿
ベースに合流.その翌日、6名で東ゼンへ入った.
(この後、平標新道から三国峠まで縦走し、谷川主脈の完全
縦走を達成した).

仙の倉谷出合いのベースを5時30分に出、1時間で西ゼンの
出合いに到着.お天気も良く、全員快調.
ワラジに替えて、遠くに見える東ゼンの大滝を見ながら、遡行
を開始する.
盛夏と言えど、沢のど真ん中に雪渓が残っていて沢水は
冷たい.技術の揃った6名(珍しく、H谷川が参加)なので、
次々に出てくる滝もザイル無しで通過.
全面スラブの中ゼンを右に見て、沢が狭くなり、雪渓のある
滝を右から越える.

仙の倉谷/東ゼン

山の日記
仙の倉谷は、どの沢も雪崩に磨き上げられた
スラブの沢です.
東ゼンの大滝

50mの大滝下に着いたのは、8時だった.
ここまではU字谷状のスラブだったが、直立した大滝に来て、谷相が、ガラリと変わる.
左岸の斜上バンドから取り付くため、ノーザイルで少し登りバンドの末端に6名が集結.登攀具を付け、冗談を
言いながら少し濡れていやらしい斜上バンドを登り出す.
バンドを上り過ぎると滝の中へ入ってしまうため、水線の手前で、トラバースを終り、上の方に何かないかなぁと
探すと、少し錆びたハーケンが打ってあった.
シュリンゲを掛けてザイルを通し、直上.左側をザーザーと滝が落ちてしぶきが飛んでくるが、快適な登攀だ.
落ち口の大きな岩を右から回り込み、草付きを登ると、大滝中段の大テラスに着いた.
ビレー用ハーケンを打って、M本に合図する.6人なので、ザイル2本を繋ぎ、スムースに全員が上がって来た.
ここから、中段の滝の落ち口をピョンと飛び、右岸のフェースを、登りながら右へトラバースしていく.
登りながら中段テラスを見下ろし、写真を撮る.この辺は、はるかかなたまで水飛沫が飛んでおり高度感が満点.
リスが無いのでハーケンも打てず、20m、ザイルを伸ばして、上段の落ち口に出た.
全員が集まったのは9時30分だった.6名で2時間の大滝を終了.
後は適当にスラブの川床を辿って行く.
二俣を右に入り、30mの滝を右側から越えて、奥の二俣11時着.ここから、左に行く.
ガスが出て来て、現在地点が分からなくなって来た.みんなして、ああだ、こうだと騒ぐばかり.
水流も細くなって来たので、もういい加減、東ゼンのつめだろうとドンドン行くと、左手の尾根に奇妙な岩峰が
現れた.とてつもなく巨大な鬼の面の様に見える.ベースでルート図を調べていた時、確か、つめが近くなると
奇妙な岩峰が現れると出ていたので、衆議一決この辺で沢筋を離れ、左側の小尾根を登りだす.
仙の倉岳の頂上直下からは、誰かの発案で、全員で走って競争し、12時頂上着.
頂上で、イイ沢やダイコノロシ沢を登って来たパーティと合流、うまい物からドンドン食ってザックを軽くした後、
仙の倉北尾根を下った.
途中からダイコンオロシ沢へ入り、文字通りオロシ金状のかなり急な岩床を下って、仙の倉谷のベースに着いた
のは、午後4時近かった.

番外編:翌日は、T葉さん、M本に、H谷川を加えて縦走を続けた.
     平標新道を登って、きれいな池糖を見たり、平標の頂上では一人ずつ登山道の標識の上にあがって
     記念写真を撮ったりしてのんびり歩き、三国山の下で大休止して食料を全部平らげ、峠に下りた.
     我々の行いの良さかお天気も良く、楽しい山行だった.
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