関東一円で、岩登りのトレーニングのメッカと言えば
この三ツ峠の屏風岩でした.
写真にある「右フェース」だけで16本ものルートが
あり我々の山岳部では、ほとんどこの右フェースを
トレーニング場として登っていました.
ここが一杯の時は、少し離れた雷岩へ廻りましたが
スケールも小さく私自身は1回行っただけです.
通常は、一般ルートを上下した後、第1バンドから、
サンドイッチクラックか、第1クラックを登るパターン
で、登り切った所にあるテラス「天狗の踊り場」で
日向ぼっこ.このテラスは、お天気が良いと、富士山
が真正面に広がり、しばし岩登りを忘れさせてくれる
憩いの場所でした.
天狗の踊り場」には、オサムハーケンと呼ばれる
でかいハーケンが埋め込んであり、これを使って、
山の日記

屏風岩

踊り場直下の「ブツブツフェース」をアップザイレンすると、高度感が
最高で、お尻の熱さも忘れる程の、爽快な気分でした.
「ブツブツフェース」は、垂直のフェースで指先がやっと掛かるホールド
の連続なため、ここを登るときはオサムハーケンでがっちり確保して
貰っても怖い場所でしたが、ある時ここをTOPロープで登る人に会い、
驚きつつも、みんなで見学させて貰ったものです.

一般ルートの取り付きは、三ッ峠の登山道なため、通過する登山者は、
必ず立ち止まってトレーニング中の我々を見学します.しかし、見ら
れている本人は(もの凄く岩登りがうまい人は別として)、下から見られ
ながら登るのは嫌なものです.しかし、雨が降るとさすがに登山者も
少なくなり、さらに夏場になると、どの山岳会も本番の山へ出かけて
いるので、広大な岩場に我々だけと言う事も結構ありました.こんな
時はここぞとばかり、一般ルートにザイルをフイックスして、独占状態
でトレーニングする事が出来ました.

この頃、現役のリーダーだったT村さんが退社される事になり、その
送別山行も、三ッ峠で行いました.1月だったので生憎の雪になり、
第1バンドは10cmぐらいの積雪でしたが、一般ルートから、第1
クラック経由で天狗の踊り場まで登り、雪の降る踊り場で山の歌を
歌って送りました.現役の中心的な存在だったT村さんの退社は、
その後の山岳部の活動にとっても大きな痛手でした.
右フェースの全容
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